未経験から事務職に転職したいけれど、「パソコンが得意なわけでもないし、経験もない私が受かるの?」と迷っていませんか。立ち仕事やシフト勤務を続けながら、求人を眺めるだけの日が続いている人も多いはずです。
知っておいてほしいのは、事務は一人で黙々とする仕事ではない、ということ。電話の取り次ぎ、来客、他の部署からの依頼。毎日の多くは、人とのやりとりです。だから、販売や医療、夜の接客で身につけた力は、そのまま武器になります。
結論から言うと、パソコンは「最低限」を身につけて応募の条件を満たし、前職の経験を事務の言葉に言い換えて志望動機で伝えれば、未経験でも勝負できます。
- 事務も一人では仕事をしない
- 前職の経験は言い換えて使う
- パソコンは最低限を先に固める
事務職は一人で仕事をしない

事務職というと、パソコンに向かって一人で入力を続ける姿を思い浮かべるかもしれません。けれど実際は、事務の仕事の多くは、社内や取引先とのやりとりでできています。
一日は「受け渡し」の連続
たとえば一般事務なら、朝は取引先からの電話を担当者につなぎ、昼前には営業担当から「この見積書、今日中にお願い」と頼まれる。午後は来客をお通しし、経理の人に書類の不足を確かめに行く。入力の作業も、だれかから受け取り、だれかに渡すまでが仕事です。
未経験者の差はパソコンでつかない
パソコンの速さで、事務の経験者に勝つのは難しいもの。経験者にとっては、できて当たり前だからです。そのかわり「急な頼みごとに気持ちよく応じられるか」「相手に合わせて話せるか」は、前職で人と向き合ってきた人のほうが強いことがよくあります。面接で伝えるべきなのは、この部分です。
事務はやりとりの仕事。人と働いた経験が活きる。
前職の経験を事務職の言葉に

経験が活きるとわかっても、「接客をしていました」だけでは、採用担当者は事務での姿を想像できません。前職でしていたことを、事務のどの場面で役立つかに言い換えて伝えましょう。もともとの職種によって、言い換え方は変わります。
| 前職 | していたこと | 事務での場面 |
|---|---|---|
| 販売・接客 | お客様の要望を聞く | 電話・来客の対応 |
| 販売・接客 | レジ締め・在庫数の確認 | 数字の入力と照合 |
| 医療 | 記録を正確に残す | 書類の作成と確認 |
| 医療 | 多くの職種と連携する | 部署間の受け渡し |
| 夜の接客 | お客様の名前と好みを覚える | 取引先の情報管理 |
| 夜の接客 | 連絡をこまめに入れる | メール・電話の対応 |
夜の仕事の経験も書いていい
夜の接客の仕事をしていた人は、職歴に書きにくいと感じるかもしれません。けれど、お客様一人ひとりの名前や好みを覚え、間をあけずに連絡を入れ、売上の数字を追う。これは事務で求められる「覚える・つなぐ・数字を合わせる」と同じです。「接客業(飲食)」のように書き、身につけたことを言い換えて伝えれば、十分なアピールになります。
経験が活きる事務の求人を選ぶ
「事務ならどこでも」と一般事務だけに応募すると、ほかの未経験者と違いが出せません。販売・接客なら営業事務や受付、医療なら医療事務や医療機器の会社の事務、夜の接客なら取引先との連絡が多い営業事務。言い換えた経験がそのまま使える求人を選ぶと、志望動機に説得力が出ます。
転職エージェントで求人を探すときは、「経験が活きる事務を探しています」と、言い換えた経験と一緒に伝えましょう。勧められた求人をそのまま受けるより、合う求人が届きやすくなります。担当者との付き合い方は転職エージェントの使い方にまとめています。
経験は「事務のどの場面で活きるか」まで言う。
パソコンの基本は応募の最低条件

経験が武器になるとはいえ、パソコンがまったく使えないと、面接に進む前に落ちてしまいます。パソコンは加点の武器ではなく、応募するための最低条件です。資格を急いで取るより、まず次の基本を、応募の前に一人でできる状態にしましょう。
- キーボードを見ずに、日本語の文章を入力できる
- Wordで文書を作り、保存・印刷できる
- Excelで表を作り、合計や平均を出せる
- メールに資料を添付し、ビジネスの文面で送れる
求められる水準は会社によって違います。応募したい求人票の「応募条件」や「歓迎スキル」の欄を3〜5件読み比べ、くり返し出てくるソフト名や作業を確かめてください。それが、あなたが練習すべき範囲です。
資格は、身につけた基本を書類で示したいときに取れば十分です。経理事務のように専門の知識がいる仕事を目指すなら、求人票で求められている資格を確かめてから準備しましょう。
一人で不安なら学べる場所を使う
独学で続かない人は、学べる場所を使うのが近道です。当サイトの運営会社も、パソコンスキルを身につけるところから転職をサポートしています。医療の仕事からの転職なら「メディプロCHANGE」、夜の仕事から昼の仕事への転職なら「ナイツCHANGE」です。
仕事を辞めてから学びたい人は、国の公的な職業訓練ハロートレーニングも選べます。申し込みの相談は、近くのハローワークへ。
資格より先に、基本の4つを一人でできるように。
未経験の志望動機は3文で作る

未経験の志望動機は、長く書くほど伝わるわけではありません。「なぜ事務か」「どの経験が活きるか」「入社後どう役立つか」の3文で組み立てると、読む人に伝わります。
- なぜ事務か「人を支える仕事がしたい」など、前向きな理由を1文で書く。
- 活きる経験第2章で言い換えた経験を、具体的な場面とともに添える。
- 入社後の姿その経験を、応募先のどの仕事で使うかで締める。
職種別の志望動機の例文
医療の仕事から一般事務を目指す場合なら、こうなります。「患者さんの記録を正確に残す仕事を通じて、だれかの仕事を支える役割にやりがいを感じ、事務職を志望しました。看護師や受付など多くの職種と情報を受け渡してきた経験は、部署間の連絡や書類の確認に活かせます。貴社では営業の方が本来の仕事に集中できるよう、見積書や請求書の作成を正確に進めたいと考えています」。
夜の接客の仕事から営業事務を目指す場合は、こう組み立てられます。「お客様一人ひとりに合わせて連絡を入れ、関係を続けてきた経験から、相手を支える仕事を長く続けたいと考えました。顧客の情報を覚えて管理し、売上の数字を毎日確かめてきた力は、取引先とのやりとりや受注の入力に活かせます。貴社では、営業の方と取引先の間に立ち、連絡の漏れのない事務を担いたいと考えています」。
「立ち仕事がつらい」は書かない
本音の理由が「立ち仕事がつらい」「土日に休みたい」でも、それだけを伝えると「楽をしたい人」に見えます。うそを書く必要はありません。その本音の中にある「腰を落ち着けて、人を支える仕事がしたい」という前向きな部分を選んで書きましょう。自己PRもあわせて整えたい人は、適性検査を使った自己PRの作り方も参考にしてください。
前向きな理由・経験・入社後の場面を3文で。
まとめ:経験を事務の言葉で伝える
事務職は、一人で黙々とする仕事ではありません。人とのやりとりが多いからこそ、販売・医療・夜の接客で身につけた力が活きます。パソコンは最低限を先に固め、前職の経験を事務の場面に言い換えて、3文の志望動機で伝える。これが未経験から事務職に転職するいちばんの近道です。
今日できることは、前職でしていたことを3つ書き出し、その横に「事務ならどの場面で役立つか」を書き足すこと。それがそのまま、志望動機の2文目になります。
- 事務はやりとりの仕事と知る
- 前職の経験を事務の言葉に直す
- パソコンの基本4つを先に固める
- 志望動機は前向きな3文で

