仕事が楽しくなれば人生も変わる

転職ノウハウ

すでに持っているスキルを活かし、魅力的な自分を演出する方法

転職活動をしていると多くの人が頭を抱える問題。それは「アピールできることがない」ということ。WebやSNSでよく見かけるハイスペックな人なんてほんの一握りです。社会人の半分以上は凡人です。人に自信を持って言える「立派なスキル」なんてない。人に羨ましがられる「成果を出した」ことなんてない。そうしたアピールすることがない、履歴書や職務経歴書に書くことがあまりないという人に向けた転職活動攻略法です。

この記事は、転職において悩みを抱える方に向けた内容です。
  • 転職活動でアピールできるスキルや実績がなくて困っている。
  • 書類選考がなかなか通らない。通っても面接で落ちてしまう。
  • 自身がないからか、面接官の反応がいつも悪いような気がする。

01 転職活動に使えるスキルを見つける方法

転職活動で使えるスキル一覧を見つめているイメージ画像

そもそもスキルとは、一言でいうと仕事をする上で必要な能力のことを指します。例えば、人と話すのが得意といったコミュニケーション能力やWordやExcelなどのパソコン操作もスキルの一つです。これらスキルは、専門的な知識や特別な経験が必要なものもあれば、そうではなく生まれ育った環境や資質で身につけているものもあります。こうした多種多様なスキルを言語化するうえで、参考になるものが「カッツモデル」です。

カッツモデル

カッツモデルとは、ハーバード大学教授カッツ・ロバート・L(Katz,Robert L.)が提唱した「マネージャーに必要な能力を、テクニカルスキル、ヒューマンスキル・コンセプチュアルスキルの3つに分類できる」という考えです。このカッツモデルを参考にすることであなたの「転職活動にも使えるスキル」が見つけることができます。

テクニカルスキル

テクニカルスキルとは、業務を確実に遂行するために必要な能力のことを指します。わかりやすく言うと「マニュアルで定められている能力」のことです。パソコン・ソフト操作や機械操作、英語やフランス語などの語学力、必要な情報を効率的に収集する情報収集力などが挙げられます。

このテクニカルスキルは、職種によって異なってきます。例えば、小売りやサービス業なら「接客・接遇」「クレーム対応」などもテクニカルスキルの一つです。一般事務なら「パソコン操作」「電話応対」。営業職なら「プレゼン」「ヒアリング」など多種多様です。しかし、注力してみてみると前述したテクニカルスキルは、どの職種でも「共通しているもの」も沢山あります。つまり、あなたはすでに多くのスキルを身につけているのです。

ヒューマンスキル

ヒューマンスキルとは、良好な対人関係を構築し、それを維持するために必要な能力のことを指します。わかりやすく言うと「信頼関係づくり」のことです。ヒューマンスキルを細分化すると、コミュニケーション力・ヒアリング力・交渉力・プレゼンテーション力・動機付け・向上心・リーダーシップの7つのスキルで構成されています。

このヒューマンスキルは、職種や役職に限らずあらゆる場面で求められます。社内における上司や部下との関係性、社外における顧客との関係性など「人」と関わる際に必要なスキルです。また、対面だけではなくメールなど、顔を合わせない文字での意思疎通も含まれています。先ほどのテクニカルスキルと同様、どの職種でも「共通しているもの」であり、得意不得意はあるでしょうがいくつかのスキルを身につけているのです。

コンセプチュアルスキル

コンセプチュアルスキルとは「あらゆる事象の本質を見極める能力」のことを指します。知識や情報分析を用いて、各事情に共通する点を見抜き、最適な判断を下すために必要なスキルといえます。コンセプチュアルスキルを細分化すると、ロジカルシンキング(論理的思考)・ラテラルシンキング(水平思考)・クリティカルシンキング(批判的思考)・多面的視野・柔軟性・受容性・知的好奇心・探求心・応用力・俯瞰力の10つのスキルで構成されています。

このコンセプチュアルスキルは、いわゆるマネジメント層には必ず求められるスキルですが、一般社員にはあまり求められない傾向にあります。そのため、教育を受ける機会もなく、身につけている人は少ないと言えるでしょう。つまり、これらのスキルを身につけていれば「人より優位に立てる」といっても過言ではありません。そして、あなたが身につけているコンセプチュアルスキルの「再現性が高い」ものであれば、評価に繋がることでしょう。

再現性とは同じ結果が得られること

ビジネスにおける再現性とは「ある所定の条件や手順によって同じ価値を再現できる」ことを指します。例えば、一昔前に大炎上した「STAP細胞」には再現性がありませんでした。STAP細胞が実在したのかどうかの真偽はともかく、再現できないものに価値はありません。

ビジネスにおいても再現性があるかないかで価値は大きく変わります。就職や転職の面接でも、あなたのスキルの再現性を見極められています。企業が求めているスキルがあなたが身につけていて、そのスキルの再現性が高いと判断されれば企業はあなたを欲しがることでしょう。逆に、再現性がないと判断されれば採用は遠のくでしょう。つまり「属人化されているスキルより、再現性が高いスキルの方が価値がある」ということです。

カッツモデルを参考にしてスキルを見つて、再現性の高いものを優先的にアピールすることが重要。

PONT

そうは言っても、なかなかスキルを見つけられない、アピールすることがわからないと言われる方もいることでしょう。ここで必要なスキルは「言語化」です。言語化とは「頭の中のことを理論的に整理して、相手にわかる言語として伝えると」いう一連のプロセスのことを指します。しかし、言語化能力を高めるためには訓練が必要です。それでは、目の前にある転職活動に活かすことができません。そこで重要なことは「真似をする」ことです。世の中にはすでに言語化されたスキルが数多くあります。その中から自分が身につけているであろうスキルを探し出すのです。

02 転職活動で使えるスキル一覧表

転職活動に使えるスキル一覧

前述したカッツモデルを参考にして、転職活動で使えるスキル一覧表を記載します。その中から、あなたが身につけているスキルを見つけて履歴書や職務経歴書、転職サイトのレジュメ登録などにご活用ください。テクニカルスキルについては、職種毎に異なるので別記事を参考にしてください。

ヒューマンスキル

ヒューマンスキルを構成している7つをさらに細分化していきます。そうすることで、あなたが持っているスキルを具体的にイメージすることが可能となります。

コミュニケーション力
  • 関係調整力:意見や感情的な対立による不和に適切に対処する力
  • 言語化:自分の考えを相手に理解できる言葉で上手く伝える力
  • 構成力:相手が理解しやすいように話す手順を構成する力
  • 柔軟性:自分と相手との考えの共通点や相違点を理解する力
  • 主体力:自分から進んでコミュニケーションを取れる力
  • 状況判断力:相手の感情や心理状態を敏感に感じ取る力
  • 他者受容力:相手の意見や立場を尊重・共感する力
  • 表現力:自分の気持ちを表情やしぐさでうまく表現する力
ヒアリング力
  • 課題抽出力:相手の話している内容から課題を発見する力
  • 共感力:相手の立場に立って共感しながらを話しを聞く力
  • 肯定力:相手の話しを善悪の評価を入れずに肯定的に聞く力
  • 質問力:相手の考えや伝えたいことを引き出すための力
  • 柔軟性:相手のタイプに合わせて聞くスタイルを変える力
  • 情報整理力:相手の話しを事実・解釈を分けて聞ける力
  • 知識力:相手の話しの内容を理解するための知識量
  • 判断力:何が正しくて何が違うのかを見極める力
交渉力
  • 計画力:ゴールへのプロセスを明確にし手順や方法を準備する力
  • 説得力:話し合いなどによって相手の心を動かし行動に繋げる力
  • 情報収集力:大量の情報の中から必要な情報を見つける力
  • 調整力:お互いが納得できるゴールを目指し話し合う力
  • 分析力:集めた情報の要素を分類しその構成を明らかにする力
  • 目標設定力:MUSTとMANTSを明確にし目標に設定する力
  • 論理的思考力:物事を体系的に整理し道筋を立てて考える力
プレゼンテーション力
  • 課題認識力:聞き手の目的や課題などのニーズを明らかにする力
  • 質疑応答力:質問の本質をつかみ答えを相手に伝わえる力
  • 資料作成力:聞き手を説得できる資料を作成する力
  • 説得力:双方向のコミュニケーションをとり合意形成する力
  • 伝達力:話し方や立ち居振る舞いなど情報を相手に伝達する力
  • 内容力:話し合いなどによって機能ではなく価値を伝える力
  • 人間力:性格や人柄、経験値などの人間としての魅力
動機付け
  • コーチング:質問によって相手に新たな気づきを得る手助けを行う力
  • 指導力:部下が能力を発揮できるよう育成したり環境をつくる力
  • 調整力:目標に向かえるようメンバー間の意思疎通の橋渡しを行う力
  • ティーチング:自分の持っている知識やノウハウを相手に伝える力
  • ファシリテーション:会議などを効果的に行うために働きかける力
  • フォロワーシップ:自律的にリーダーに働きかけ支援する力
  • マネジメント力:目標を達成させるための手段を考え管理していく力
向上心
  • 計画力:設定した目標達成に向けて必要なプロセスを明確にする力
  • 自己啓発力:本人の意思によって自分の能力や思考を高める力
  • 実行力:目標達成のための計画に取り組み最後までやり抜く力
  • セルフマネジメント:自分の感情や行動をコントロールする力
  • タイムマネジメント:時間の使い方を改善し生産性の向上を図る力
  • 段取り力:物事が上手に進むように前もって手順を整える力
  • 目標設定力:上位目標達成に紐づいた形で明確なゴールを設定する力
リーダーシップ
  • 観察・洞察力:周囲や対象を深く観察し問題の本質を見抜く力
  • 継続・持続力:物事を投げ出さずにある状態を続ける力
  • 信頼関係構築力:人との繋がりや信頼関係を構築する力
  • 組織構築力:目標達成のために必要な組織能力を構築する力
  • 率先垂範力:人より先に立って物事を行い模範となる力
  • 統率力:目標を達成するために組織をまとめて率いる力
  • レジリエンス:ストレスに対応し回復する折れない心

コンセプチュアルスキル

ヒューマンスキルを構成している10つをさらに細分化していきます。そうすることで、あなたが持っているスキルを具体的にイメージすることが可能となります。

ロジカルシンキング
  • 仮説・検証力:前提から仮説を立てその仮説を検証する力
  • 関係・洞察力:事象の関係性について洞察する力
  • 構造・判断力:議論や論証の構造を明らかにし適否を判断する力
  • 抽出・分析力:必要な情報を抽出しそれを分析する力
  • 把握・評価力:趣旨や主張を的確に把握し評価する力
  • 理解・適用力:規則や定義、条件等を理解し適用する力
ラテラルシンキング
  • 疑う力:既存の価値観を取り払い疑うことで可能性を模索する力
  • セレンディピティ:偶然の産物を新たな視点と解釈する力
  • 創造力:独自の方法で新しい何かを創り出す力
  • 抽象化力:物事を抽象化して考えることで本質を捉える力
  • 発想力:何かを思いつき新しいものを生み出す力
多面的視野
  • 概念化力:具体的な物事を抽象化して体系的に整理する力
  • 仮説設定力:仮説を作る手前にあるキリ口を設定する力
  • 客観的視点:第三者目線で物事を冷静に見たり考えたりする力
  • 柔軟性:固定概念に捉われずにあらゆる視点から最適解を導き出す力
  • 複眼力:自分の視点から物事を多角的に捉えて考え抜く力
柔軟性
  • 共感力:相手に関心を寄せて意見や感情などに寄り添う力
  • 状況把握力:自分と相手や物事との関係性を理解する力
  • 情報整理力:情報を的確に整理して活用できるようにする力
  • 適応力:環境の変化に対して速やかに適応できる力
  • 対応力:あらゆる事象に対して柔軟に対応できる力
受容性
  • 協働力:ある目的のために対等の立場で協力して働く力
  • 吸収力:他人のスキルを身につけることができる力
  • 受容力:他人の異なる意見や感情を受け入れる力
  • ストレス耐性:ストレスとなる出来事に対しての抵抗力や適応力
  • 連携力:ある目的のために分野を超えて助け合える力
知的好奇心
  • 企画力:課題を解決する方法と実行可能なプロセスを描き出す力
  • 審美眼:美しさや価値あるものの本質を見極める力
  • 積極性:目的や課題に対して能動的に行動できる力
  • 想像力:未来に起きうる劇ごとなどを頭の中で思い描く力
  • 直観力:過去にインプットしてきた知識や経験から答えを引き出す力
探究心
  • 継続力:物事を諦めずに根気良く最後までやり遂げる力
  • 行動力:自らの意思で積極的に行動に移せる力
  • 自制力:自分で自分の感情や行動をコントロールする力
  • 情報収集力:必要な情報にアクセスして質の高い情報を手に入れる力
  • 表現力:自分の思考を相手に正しく伝わるようにする力
応用力
  • 気づく力:あらゆる物事を観察し変化に気づく力
  • 情報分析力:情報を細分化し新しい情報を引き出す力
  • 展開力:集めた情報などをもとに新たなものを生み出せる力
  • 付加価値力:期待を良い方向へ裏切って驚きを与える力
  • 問題解決力:原因を洗い出し解決策を考え解決まで持っていく力
俯瞰力
  • 構造化力:物事や事象の因果関係を読み解く力
  • ゼロベース思考:前提の知識や思い込みに捉われずゼロから考える力
  • 全体俯瞰力:物事や事象、思考を全体的に眺める力
  • 発想転換力:今までの物事や考え方を別の観点から見る力
  • リスク管理能力:不測の事態に的確かつ迅速に行動できる力

これらは、ヒューマンスキルやコンセプチュアルスキルをそれぞれ細分化したものとなります。それぞれ1つずつスキルとして使用しても良いですが、複合して使用した方が説得力が増します。例えば面接で「私は、コミュニケーション力が強みです」といっても全く説得力がありません。そこで「私は、コミュニケーション力が強みです。特に自分から進んで会話を積極的に行う主体力には自信があります。例えば~」といったように、いくつかの要素を複合して使用することで説得力が増します。いかに、相手に伝わるかが重要なポイントとなるのです。

03 あなたのスキルは魅せ方で変わる

魅せ方の違うものを見ているイメージ画像

転職活動の一般的な流れは「書類選考」「1次面接」「最終面接」というように段階を踏んでいかれ、それぞれのタイミングでふるいにかけられます。つまり、他者と比較されるということです。他者より優位に立たなくては次選考に進めません。あなたの能力・スキルを「魅力的に伝わる」ように説得力を持たせて言語化していきましょう。

まとめ

転職活動を行っている方達の多くは、自分が持っているスキルを見つけられていません。転職サイトのレジュメや職務経歴書など、第一関門である書類選考を通過するためにも、あなたが身につけているスキルを見つけ出してください。そのスキルの魅せ方を変えて、他者より魅力的なものに変化させることをお勧めします。

  • あなたにはすでに身につけているスキルが沢山ある。それを見つけ出すことが重要。
  • スキルの魅せ方を変えて説得力を増す。そうでないと再現性がないと判断される。
  • 自分の言葉で語れるようになるには、伝え方の練習が必要なので注意する。
  • 転職活動は他者との競争。他者より優位に立つことで目標達成に近づく。

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

RECOMMEND

RANKING

WEEKLY
MONTHLY
TOTAL
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5

RELATED

PAGE TOP